ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

【売れ残った犬猫の行き先】引取屋という闇

前々回、平成24年動物愛護法改正によって、保健所や愛護センターのような行政施設は、ブリーダーやペットショップなどの業者からの、動物持ち込みを拒否できる事になりました。

 

従来の目的は、それらの業者が安易に行政に持ち込ませない為、あるいは最後まで責任を持たせる事でした。いや、いまとなっては本当にそう考えていたか、怪しささえ伺えます。

 

皆さんが想像する通り、もちろん業者は「終生飼育」などするはずがありません。しばらくの間、それらの業者による山中や河原への、犬猫大量放棄が続きました。やがてそんなニュースが拡がり、批判が大きくなってきた頃に、その抜け道を作るかのような、悪夢の商売が生まれてしまいます。

 

それが「引取屋」です。

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誤解を恐れずに言えば、果たして「生きている事」と「殺処分される事」の、どちらがマシか分からないような状況。それが「引取屋」と呼ばれる場所に連れて来られた、犬猫達の運命です。

 

「引取屋」は、繁殖屋で必要とされなくなった犬猫や、ペットショップで売れ残った犬猫を、有償で引き取り飼い殺しにする商売です。最低限を満たしているかどうかも怪しい、食事と水だけを与えられ、毛や爪は伸び放題、病気のケアなどされる訳もなく、狭いケージの中で一生を過ごします。彼らがそこを出られるのは、死んだ時だけです。これが「殺処分」よりも幸せかどうかと問われれば、私は「NO」と言い切ります。

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「引取屋」は切り札のように、「殺されるより良いと思ってやってる」「業者からは感謝されている」という台詞を吐きます。こんな戯れ言に私達は、少しでも理解を示してはいけません。「こんな地獄に置かれ、悪魔に飼われるなら、死んだ方がマシだ」と、言い訳をさせない強さが必要です。

 

小型犬なら5,000円〜10,000円で引き取られ、中型犬以上はもっと高額になります。繁殖屋が引取屋に渡すのは、もう繁殖に使用できなくなったシニアでしょう。ペットショップが引取屋に渡すのは、まだ相当若い頃からでも可能性があります。まだ10年生きられる犬を、5,000円程度で引き取って、いったいどんな面倒が見れるのでしょうか?また、現在は日本からの犬の流通が確立し始めた、中国への転売なども考えられるでしょう。どちらにしろ犬猫にとって、死ぬに等しい過酷な運命です。

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繁殖屋やペットショップから引取屋に流れる犬は、当然純血種が多いです。皆さんの家にいる、チワワやプードルの兄弟や、隣にいたコが画像のような環境に置かれる可能性があります。いや、貴方と出会わなければ、毎日楽しい生活を過ごしている愛犬が、そこにいたかも知れません。彼らの運命は、この生体販売の流通がある限り、紙一重なんです。

 

家にいる幸せな家族と、引取屋に行ってしまった彼らに、どれほどの違いがあったというのでしょうか?

 

私達は、生体販売の犠牲になる彼らの事を、一度立ち止まって考えないといけません。

 


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