ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

生体販売しか能が無いペットショップに未来は無い

私はペットショップでの生体展示販売に、反対だという事を前提にしますが、ペットショップは現在2つに分けられます。

 

ひとつは、トリミングや商品販売なども、バランス良く供給できているペットショップです。こちらは、今後も法改正などに臨機応変に対応し、形を変えながらでも残っていくでしょうね。ちなみに又聞きですが、イ◯ンなんかは物流の会社という位置を誇示しており、生体販売は外注・トリミングも病院も、あくまでも商品を売る為のオプションと見ていると聴きました。

 

もうひとつは、生体販売が売上の7割〜8割以上を占めるような、常に犬猫を売り続けないとやっていけないようなペットショップです。

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このようなショップは、なんとか業界として激しい抵抗をしていますが、避けられない法改正と世間の逆風に晒された時、非常に脆く崩れていくでしょう。

 

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用品販売に力を入れない、こういったショップは、店舗や売り場作りに疎く、店舗のニオイやディスプレイや商品セレクトがとにかく酷い。商品セレクトにおいて、いわゆる問屋に棚を任せる事が多く、どこにでもある商品がどこにでもある並べ方で置かれる事になります。つまり、犬猫以外は如何に手を抜いて済ませるかが大事です。こういう店がオープンした時に、視察に行った時の事です。その店の店長が問屋に「この期間は無償で手伝いに来い」と言ってるのを、この耳で聴きました。トリミングルームもありましたが、中はダンボールが山積みで、店はオープンしているのにトリミングは未稼働のようでした。

 

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これが主な流通経路です。この流通数は、朝日新聞の調べによると年間80万頭。その内2万4千前後が「毎年」流通の中で命を落とします。「殺処分」には含まれない、誰の目にも触れないまま死んでいく命です。

 

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このダンボールのひとつひとつに、母犬や母猫が必要な時期から引き離され、免疫力も引き継げていない仔犬・仔猫が入っています。まるで「靴」でも運んでいるかのような、そんな扱いです。

 

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店に入ってくる時には、このようなダンボールで運ばれてきます。正直、私も何百回と見たダンボールです。少しでも雰囲気を作りたいのかも知れませんが、今となると、肉球のマークが薄ら寒く感じます。

 

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消費者の目に触れる段階で、この箱の中に収められ、販売される事になります。仔犬であることを前提に作られ、店に来てから2ヶ月も経過すると、個体によっては背中がスレスレになったりします。そうなると命の「SALE」が始まります。この箱は安いもので、1つ5万ぐらいだったでしょうか?

 

商売という観点からしても、生き物を売り続けないとやっていけないモデルなど、無理をしないと維持できるハズがありません。こういう店の求人を見ると、必ず生体販売の「インセンティブ」が付いています。つまり、言い方を変えると、販売員が無理して売らないと、やっていけないという事です。

 

冒頭にも書きましたが、遅かれ早かれ生体販売には強い逆風が吹きます。その時が来れば、生体販売しか能の無いショップは、雪崩を打って無くなっていくでしょう。

 

会社と従業員の事を考えるなら、そこから脱却しなくては未来は無いと思います。

 

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