ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

ペットショップが当たり前だという文化が邪魔をする

日本ではここ30年で、犬を家族に迎えるならペットショップ、というのが当たり前になってしまいました。猫はまた少し事情が違いますよね。

 

ガラスケースに近づくと、ヨタヨタと寄ってくる仔犬や、ひとりでも無邪気に遊んでいる姿が、当然のものになった日本は、少し歪んだ価値観を持つようになっています。生まれたばかりの子供というのは、種族を超えて「かわいい」と感じられる特徴を持っています。それは、誰かに守ってもらわないと生きていけない子供が、自分と種族を守る為に生まれた知恵です。

 

この「仔犬が当たり前」だという文化が、保護犬にとってひとつのハードルになっているのは事実です。

 

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岡山県動物愛護センターでも、エリアは2つに分かれていて、上の写真は「一般譲渡」と呼ばれる、積極的に譲渡していく対象となる犬達です。例えば、ペットショップのコに近いような、人に対して警戒心の無い仔犬だったり、つい最近まで飼われていたであろう、人に懐いている犬だったりします。

 

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こちらの写真は、一般の里親希望者が見る事の無い、「一般譲渡」の対象にならなかった犬達のいる「管理棟」と呼ばれる中です。捨て犬の中でも人への警戒心があるコや、人と接したことの無い野犬などは、ほぼこちらで収容されます。こちらの犬達は、愛護団体やボランティアの方によって引き出される事だけが、ここから出ていける唯一の道です。

 

誤解してはいけないのは、岡山の愛護センターでは、このコ達を人に慣らす為に、職員の方が散歩させている姿を頻繁に見ます。決して、安易に諦めている訳ではありません。

 

こういった犬の中でも、成犬やシニアには難しい問題が残りますが、その要因の一つが「ペットショップが当たり前だという文化」なんです。人と人なら、友情も愛情も友人も家族も、それぞれの人生を受け入れて始まるのに、犬だと真っ白な仔犬が良いというのは、ペットショップ文化の弊害と言わざるを得ません。

 

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保健所ではリードをピーンと張って逃げ回る程、人に対する警戒心が強いコでも変化できます。時間さえかければ、犬も変われるんだという事を、上のような写真で教えてくれます。人は苦手でも犬は好きなのに気付く事などが、キッカケになる事もあります。犬同士の仲良さを介して、他の犬が人間と仲良くしている所を、横目で見てもらって慣れてもらう訳です。

 

こんな変化や出会いを否定する人には、何も言うことはありません。しかし、この記事を読んでくれた人は、そういう出会いこそが最高のパートナー得る事を、充分に理解して頂けると思います。

 

みんなで、「保護犬ならではの良さ」「保護犬ならではの感動」を、もっと多くの人に伝えていきましょう。

 


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