ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

「不幸な犬猫ゼロ」の為の整理をしてみた③消費者

「不幸な犬猫ゼロ」の為に、それぞれの段階や対象に対して何ができるか?③消費者です。

 

もしかすると、私達がアプローチできるという意味では、最も重要なポジションに位置する対象かも知れません。

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画像は私の勝手なイメージですが、いつも連れてる犬が変わる人を持ってきました。「不幸な犬猫」を生み出す源泉は、間違いなくこの消費者です。30年に渡って、日本では「犬を迎えるならペットショップで仔犬を買う」という文化を、業界が見事に作り上げました。ようやくこのイメージも、多少マイナスに捉える人が増えつつありますが、それまでは多くの人が受け入れていた価値観だと思います。

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業界が作りたかった文化に、消費者はまんまと乗せられました。そして今や、業界は「消費者からのニーズがあるから産ませ続ける」と言うようになりました。まあ、どちらが先でも一緒で、水掛け論です。業界と消費者は両輪となって、ペットショップで犬を買う日本を作ってきた訳です。

 

一時期は、「血統書付き」なんて言葉が流行りました。今になってみると、なんとくだらない価値観でしょうか?私達、犬や猫を「家族」と考える人間にとって、彼らの血統などどうでも良い話です。ましてや、血統書自体の正当性すら怪しまれるようになりました。JKCの副会長は、朝日新聞の太田記者の質問に対して、「良いブリーダーだろうが仔犬工場だろうが、手続きがあれば血統書は発行する」という趣旨の回答を、ハッキリと残しています。そんな価値観の団体が発行する紙切れに、どれほどの意味があるのでしょうか?消費者は、こんなものを有り難がる必要もなく、それは古い価値観だということを、積極的に広めるべきでしょう。

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流通の行き着く先としては、消費者は最も川下に存在します。この先は、行政やボランティアになりますので、流通という定義とは少し違うからです。川下に位置する消費者が、川上からの流通を受け入れなければ、あっという間に流通は破綻させられます。

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保護犬や保護猫という存在を、まだ知らない人はいくらでもいます。知っていても、ペットショップよりも敷居が高いと、勝手に誤解している場合も多々あります。先日のHIKAKINのスコティッシュ購入の際に、売れれば何でも御構い無しのメディアが何と報じたか覚えていますか?「今回の件で分かった、独身者は保護猫は飼えない」と、ごく一部の愛護団体の条件を、さも全ての保護猫に適用されているかのように、無責任な捏造記事にしました。メディアは、愛護団体などよりもペット業界に良い顔をしたいという意味も、透けて見えた気がします。そして私たちは、こういう正しく無い報道を間違いだと発信する事で、知らない消費者に正しい情報を届ける必要があります。

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消費者=飼い主も、この蛇口のひとつになっている事に注目です。昔は、飼い主が平気で犬猫を捨て、保健所に持ち込み、回収トラックに乗せていました。今でもそういう価値観の人は残っています。実際に保健所に行けば、「有料引取」と書かれた犬猫がいます。

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ほんの少しだけ、業界の酷さや闇に気付いた我々は、知らない消費者を切り捨ててはいけません。今の私達の署名の数で政治が動かない事は、残念ながらそこそこ立証されつつあります。だとすると、「不幸な犬猫ゼロ」を目指す以上は、まだそういう知識に明るく無い消費者を、どんどん巻き込まないといけないというのが事実です。

 

彼らを、アホだバカだと切り捨てていては、動物愛護はいつまでも動物愛「誤」と思われ、少数派のままです。それは彼らだけでなく、「不幸な犬猫」をも見捨てる事に繋がると、私達こそが冷静に判断できないといけません。

 

私達は、まず知り得た情報は正しいのかどうかを確認し、その情報をできる限り多くの人に発信して、多数の消費者に仲間になってもらう事が必要です。

 

情報の真偽の確認・真なら発信・真なら拡散・親切で紳士的な礼節・歓迎の意などが大事では無いでしょうか?

 


保護犬のわんこ 写真集 (「保護犬のわんこ」プロジェクト)