ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

「厳罰化」よりも「検挙の軽さ」が大事

5年に一度の動物愛護法改正、本来は平成30年の予定でした。全く議論が進まずに、平成31年に持ち越されたのは、私達にとっては「チャンス」です。熟成していないものを、下手に5年に一度しかない機会に持ち込まれるよりも、1年延びても熟成させる事が大事です。

f:id:takashisawaki:20190209095934j:image
f:id:takashisawaki:20190209095929j:image

私たちの周りには、日常に潜む飼い主や猟奇的な人物による、動物虐待があります。

f:id:takashisawaki:20190209102856j:image

f:id:takashisawaki:20190209100314j:image

子犬工場や悪質なペットショップ、トリミングなど業者による虐待もあります。

 

どちらにしろ、私は「厳罰化」によって抑止しようとする動き「だけ」では、ほとんど効果が無いと考えています。

f:id:takashisawaki:20190209100845j:image

200万円が500万円に、2年が5年に変わる事で虐待を抑止するなら、誰がどのような手順によって通報できるか?つまりアニマルポリスのような組織が必須です。「何処かの誰かが通報する」という考えでは、進化していくのは難しいでしょう。

 

そして、ここまでに出てきた「厳罰化」と「アニマルポリス」だけでは、やはり抑止は難しいでしょう。

 

それは検挙する権限を持つであろう、「行政」がこれまで「虐待とは言い切れない」と言って、ほとんど動いてこなかった事が裏付けています。これだけ世の中に、「子犬工場」や「飼い主による暴力」が溢れているにもかかわらず、ほとんど逮捕や検挙の実績が残っていない事が答えでは無いでしょうか?それは、200万でも500万でも関係ありません。200万円の罪で検挙して無いものを、500万になったら検挙する訳がありません。

 

そして、検挙されないならどんなに罪が重くなっても、全く抑止力にならないでしょう。

 

飲酒運転が厳罰化されて、一気に数が減ったのは、「実際に捕まるから」です。あの法改正の時、警察は盛大にキャンペーンを張って、ものすごい数の検挙を行なって、「飲酒運転検挙恐ろし」という印象を世の中に広げたからです。

f:id:takashisawaki:20190209101234j:image

「虐待とは言い切れない」という言い逃れを、取り締まる側が使っている限り、1000万円の罪になっても怖くありません。それは「検挙された実績が無い」からです。

 

私達は、「厳罰化」「アニマルポリス」だけの偏った法改正ではなく、「何が虐待になるか」という定義を、「数値規制」や「具体的な事象」によって決めてやり、行政や警察が「虐待とは言い切れない」と言えないルールを作る事が大切です。

 

「厳罰化」だけでは、「切れない刃物の刃渡りが大きくなっただけ」の状態になります。