ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

生体販売反対の論拠をまとめます②

何かを変化させるには、対話と圧力です。日本人は対話を重視する傾向が強いですが、黒人解放運動のキング牧師マルコムX、インド独立のガンジーチャンドラ・ボース(日本では無名だがインドではガンジー以上に著名です)、片方が居なければ、目的は達成できなかったと言われています。

 

先日に続き、生体販売に反対していく理由をまとめていくシリーズ、第2弾は「自浄作用の無さ」に注目していきたいと思います。

f:id:takashisawaki:20190330150948j:image

多くの先進的な業界は、社会的な役割が大きい企業あるいは業界団体が、例えば国内での存在意義や取り組むべき義務を考えて、いわゆる自浄作用を働かせるものです。あるいは、そのキッカケが事故や事件である事もあります。公害が問題になれば、そこに法整備が入りもするし、企業側はそれに対して排気や排水について、自費を投じて対処するようにします。また、時代の流れに沿って、NTTは他社の参入を認めて競争が働く仕組みを受け入れ、その中で企業努力をしてdocomoという占有率1位を死守できる体制を整えた訳です。

f:id:takashisawaki:20190330144405j:image

では、ペット業界における生体販売はどうでしょうか?まず、業界を規模的にも規範的にも、代表するような企業がありません!日本で最も店舗を持っているような会社は、業界の人間から見ても最低ランクの犬猫の環境を維持し続けおり、反生体販売の最も大きな批判の的になっている程です。近い位置にある何番手かの店舗では、「業界最安値に挑戦」というディスカウントスーパーか何かの様な看板を掲げ、お互いに低きに流れるような、世の中と逆の競争をしているような状態です。

f:id:takashisawaki:20190330151143j:image

そして、ここは私が経営者達に聴いた、比較的狭い範囲の「各論」になりますが、多くの経営者は「昔に比べると良くなった」「そういう所と比べるとうちは良い」と言い放ちます。比較対象が、子犬工場や業界最安値に挑戦という、業界最低レベルの「下見て暮らせ」が常なんです。それは、業界全体の体質ばかりか、経営者の考え方や価値観が「古いまま」だからです。

 

なぜ古いままなのかの答えは明確で、先進的な企業や経営者が参入してくるほど魅力が無いのと、後を継ぐ後継者も存在しないからです。多くの経営者が、他業界の事をあまり知らず、ペット業界一筋何十年という事態が、「昔よりは良くなった」という台詞を吐かせてしまうのでしょう。私のように、近年携わり始めた人間からすると、古くて革新性の無い経営者が目立つ世界だなと思います。私が参入した時の理由も、「この業界なら、まだ十分に勝負できる」というほど、付け入る隙があったからです。

f:id:takashisawaki:20190330152337j:imagef:id:takashisawaki:20190330152730j:image

その古さが「生体販売は無くならないと思う」という、これまで通りのやり方を踏襲する事を望む言葉に繋がり、結果として上の写真のような「普通の価値観の人間」からすると、嫌悪感を覚えるような環境を、犬猫に押し付ける事を厭わない姿勢を持つ事になります。

 

業界の人間以外の方には届かない事も、逆の方向性で存在します。

 

私のページを訪れてくれるようなブリーダーの中には、現状の繁殖や販売を強く批判する人、またそれを具体的に行動に移そうとする人も存在します。私はもちろん、生体販売業界の裏切り者的な存在ですが、そういう行動が起こらなかった事が、この業界の自浄作用を無くし、「今まで通りの古い価値観」を維持して「今まで通りの古いやり方」を続ける事になってきました。

 

そして結果として何が残ったでしょうか?「動物愛護」という彼らにとっての敵を、どんどん巨大なものにして、自分で自分の首を絞める事になった訳です。これだけ、動物愛護法の問題が取り沙汰されるようになったのも、ある意味彼ら自身が招いた自業自得、因果応報という事は間違いないでしょう。

 

自分達が自分達の業界を律して、積極的に法改正などについても行動していれば、ここまで追い詰められる事は無かったのに、事もあろうに法改正に「抵抗し続けている」ような現状。

 

私は業界の人間として、業界に言いたいと思います。「これだけ敵を増やしたら、もう手遅れです。あなた方は、出来の悪い仲間を守り過ぎました。」

 


DO NOT BUY!マグネットステッカー(メール便にてお届け)