先日、こんなメッセージを頂きました。ペットとは全く違う業界の例ですが、どのような成り行きによって、無責任な業者から順番に去っていくか、非常に興味を持って拝読しました。
メッセージの内容をまとめると、次のようなものです。
「私は障がいを持つ方が働くための練習をする施設を運営しています。
私が始めたころわんさか同じ施設ができました。理由は法規制が甘く、単純に儲かる商売だったからです。
厚生労働省の仕事ですから、障がい者さん1人あたり1日いくらというお金が、確実に入ってきます。それでも、まじめにやっていたら会社としてはギリギリです。
障がい者さんへ渡す賃金は、最低賃金が関係ありません。だからその障がい者雇用1人で、月に10万円ほどのお金が入ってくる。
でもご本人には三千円くらいの賃金しか渡さない。それでもよかったのです。そりゃ儲かると思います。
昨年、突然法規制が内容の予告なく厳しくなりました。障がい者さんへ渡す賃金によって、大きく1人あたりの(補助される)金額が変わったのです。他にもいろいろ。
私の施設は前より(補助される金額が)上がりました。障がい者さんたちへ2万円近くの賃金をお渡ししていたからです。
施設の廃業が増えたと騒いでいます。有志の間では「廃業じゃないよ、儲からないから辞めただけだよ。これで正しい施設だけが残る」と言ってます。
儲からなければ、あっさりほかの儲かることへ流れていく。目的は金儲けですから。
生体販売がなくなれば、儲け目的の輩はいなくなり適当な飼い主はいなくなる可能性が高くなる。そう教えていただきそう思ってきました。
今回、身をもってそれを体験し、こんなにさーっといなくなるんだなと、よくわかりました。
私たちも(障がい者雇用の)法規制を、お願いし続けてました。いやな表現ですが、人間相手ですから対応も早かったのだと思います。
動物相手だと、なかなか動きは難しいとは思います。だけど、生体販売がなくなればいろんなことが一気に解決すると改めて思いました。
澤木さんを応援し続けます!お忙しいでしょうからお返事はいりません。参考にならないかもしれませんがもしかしてと思って書きました。失礼いたします。
追記
法規制だけでなく監査もバンバン入り、罰金・営業停止どんどん出ました。
ただ法規制だけではなかったのです。判断のための数値もきっちりでした。
法規制だけでは絵に描いた餅。逮捕!監査!これだということも改めてわかりました。」
このように、非常に濃密な業界の法規制と、その厳格さが重要だという実例を示してくれる内容です。
このメッセージに書かれているように、今の「動物愛護法」は「絵に描いた餅」です。猫を殺すような、問題外の犯行を行った場合のみ、「動物愛護法違反」で検挙されます。どんな角度から見ても、愛護法に則していない「子犬工場」のような例であっても、「狂犬病予防法違反」という別件検挙のような形をとり、動物愛護法は全く活かされない現状です。
この方の言われるように、「法規制だけでなく監査もバンバン入り、罰金・営業停止」として処分される例が目立ったからこそ、補助金を右から左に移すだけのような業者は消えていった訳です。
そして、その「罰金・営業停止」の為には、「ただ法規制だけではなかったのです。判断のための数値もきっちりでした」というルール作りが最も大切です。
行政にも警察にも、「動物愛護法違反とは言い切れないなぁ」という言い訳をさせないように、明確な数字を使った規制が必要だと言う事です。
ペット業界は、あらゆる面で他業界から遅れている、若いが古い慣習の残る産業です。他業界が、どのように自浄作用を働かせてきたか?法律によって、規制を強められてきたか?充分に参考になる部分が大きいと思います。