ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

「不幸な犬猫ゼロ」の為の整理をしてみた④行政

「不幸な犬猫ゼロ」の為に、それぞれの段階や対象に対して何ができるか?④行政です。

 

保健所や愛護センターといった行政は、法律に従ってその範疇で仕事をするしかありません。その意味では、私たちの与えられる影響が、比較的少ない分野かも知れません。

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公務である以上、法律やルールを越えた活動は、絶対にできない事も私たち側が理解する必要もあります。望むような活動をしてくれない事も多いと思いますが、その望んでいる事が「現実的かどうか」を冷静に考えないと、行政とボランティアの良い協力関係はできないでしょう。いきなり「殺処分機を止めろ!」と言っても、それはいきなり「生体販売を禁止しろ!」に等しい要望です。止めたとして、犬猫の行き場はどこか?今どの程度の譲渡率か?などの、「現実」を踏まえた段階的な要望が必要です。良し悪しは別として、広島や岡山並みの譲渡率が実現すれば、本当に殺処分機は止まります。その譲渡率が75%前後で、良くない都道府県になると、なんと15%前後です。その状態で、殺処分機が止まるはずがありません。

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だとすると、私たちは自分たちの都道府県の譲渡率をあげる事が、行政と協力してできる事ではないでしょうか?例えば私の身近で見れば、岡山県動物愛護センターと岡山市保健所と倉敷市保健所があります。その中で、倉敷市保健所は野犬が多く、係留できる数などの環境的な要因は厳しいですが、ボランティアとの協力関係は良好です。私が初めて訪れた時も、ボランティアさんが作った冊子を、「こんな素晴らしいものを作ってくれた」と勧めてくれました。犬の情報を聴いても、見事なまでに詳細を説明してくれて、本当に里親希望者や保護活動に携わる人の事を良く考えてくれている事が分かります。

 

またボランティアさんのブログでは、倉敷市保健所が如何に努力して取り組み、返還・譲渡率を上げてきているかを紹介し、行政とボランティアが相互に敬意を持って接している事が、手に取るように分かります。

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そうは言っても、全国の殆どの都道府県では、殺処分機を止められる程の譲渡率がありません。だとすると、まずは返還・譲渡率を上げていく事と増やさない事が大事です。譲渡会などの機会を設けていない自治体なら、それを要望するのも大事でしょう。避妊去勢に力を入れていないようなら、そこに対する補助金などを望むのも大事です。

 

冒頭でも言ったように、行政は法律に従う公務員という位置付け以上の事は出来ません。だとすれば、同じポジションでやっている他県の良い例は参考にできるのではないかと思います。まずは、比較的上手くいってる都道府県が、どういった活動をしているかを研究・検証し、それを取り入れる要望でしょうか。

 

ただし私も経験がありますが、相手は同じ人間です。こちらの言葉選びや態度次第で、積極的になったり消極的になったりする事も、しっかり理解しておきましょう。ゴリ押しが良い結果を生むとは限りません。

 

譲渡会と講習などの啓発、ボランティアとの協力関係強化、避妊去勢の勧めなどを要望するのが、私たちが行政に対して求める事でしょう。