ペットの売買がない日本へ 澤木のブログ

ペットを取り巻く環境の問題を、辛辣に取り上げて参ります。

譲渡会は「お見合い」である

日本では、ペットショップで仔犬を「買う」事が当たり前になって久しいです。その為、ペットショップが保護犬譲渡をすると、「お客様」感覚で来店される方がいます。

 

勘違いしないで頂きたい!譲渡は「お見合い」なんです!

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ここに傑作のポスターがあります。「俺を本気で飼いたい奴は、譲渡会へ来い!」しかも小さく「当日、連れて帰ろうなんて考えは捨てろ。俺を抱けるのは選ばれた奴だけだ!」とあります(笑)。

 

それぐらいの気持ちで来る人じゃなければ譲渡しない、そうじゃなければずっと今の所に居ればいい、と考えるのは保護者たるボランティアさんの自由です。「お客様」感覚が抜けないままで来るから、条件が厳しいとか態度がなんとか等の不平不満が出るんです。団体にもよりますが、こっちは「もらって下さい」って頼んでる訳じゃ無いって所が多いと思いますよ?

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私もクレームの電話を受けた事があります。それは、犬の説明を受けた時に非常に冷たい印象があり、そんな事だと保護犬をもらう気にもならないし、犬の為にならない、という趣旨のものでした。

 

私の所にクレームの電話が繋がると、だいたい毎回1時間を越えます(笑)。そういや相手の電話代の事、考えてなかったな、、、。私の所まで回ってきてたのは、ほぼ男性からのクレームで、私と同じく相当「理屈っぽい」内容でした。そして、スタッフに対するものが中心なので、私は黙ってられないんです。だから長時間に及ぶ事になります。まさかクレームの電話して、反論が返ってくると思ってないでしょうし。私はその慣習も日本の小売業の、悪い商感覚だと思いますよ?納得もしてない、思ってもない事で謝罪する事を優先するのは、お互いを不幸にします。

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ボランティアの方々は、犬猫の「保護者」です。そして譲渡会は犬猫と里親希望者の「お見合い」と考えれば、非常に簡単に全貌が見えてきます。保護者は、自分の子供と結婚を望んでいる相手の成りを見て、そりゃ態度を変える事もありますよ。「お見合い」のつもりなら、当事者だってそれなりの身の整え方も考えるでしょう。残念ながら、チンピラのような格好や喋り方で、「大事な子供をくれ!」って言ったって、渡せる訳がありません。

 

そんな事になってしまうのは、犬猫を迎える側は常に「お客様」だと、勘違いしているからです。

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中には、「お客様」として迎えてくれる譲渡会もあるでしょう。「お客様」として行きたければ、そういう譲渡会に当たるまで、何十箇所も回ればいいと思います。

 

私達、保護譲渡活動に携わる人間は、譲渡会を「お見合い」だと位置付けてくれる方々は、大歓迎します。何よりも大切なのは、当人同士の想いですね。

 


家族になる日 (動物感動ノンフィクション)